転がるイシあたま

医療系の雑談ブログです

里芋

 「アレルギー歴」は診療録では重要な情報です。だから初診のときに必ずこちらは患者さんに「薬物アレルギー」と同時に「食物アレルギーがありますか?」と質問します。ここで面白いのは、「好き嫌い」を縷々述べる人。「アレルギー」と「嫌い」は別の次元のお話なんですけどね。
 話が早速逸れますが、食べもので「○○が嫌い」という人は、どうしてあんなに熱心に力説するんでしょうねえ。淡々と述べても、こちらに対する効果は同じなんですが。
 戻します。
 そういえばカルテのアレルギー歴の欄に「里芋で手が痒くなる」と書いてあるのを見つけたことがあります。「食べるのは大丈夫」とも書いてあるので、触ったら手が痒くなるのでしょうが……里芋をさわって手が痒くなるのは「アレルギー」ではなくて「ふつう」のことでは?(少なくとも私は痒くなるし、私の周囲の人間のほとんども同じことを感じています)

 里芋で手が痒くなるのは、里芋に含まれているシュウ酸カルシウムの針状結晶のせいだそうです(砂状結晶ではならないのでたぶん“針"が突き刺さるのでしょうね)。そういえば長芋やキウイも触ると手が痒くなりますが、これも同じ成分のおかげ。どうやら植物は虫除けにこの結晶を使っているようです。

 そういえば生のパイナップルでは口の粘膜が痒くなることがありますが、これはタンパク分解酵素のせいだそうです。そういえばキウイにもこの酵素が豊富に含まれていると聞いたことがあります。

 ……おや? キウイはシュウ酸カルシウムとタンパク分解酵素の“二段防御"? そこで調べてみるとパイナップルもシュウ酸カルシウムを豊富に含んでいるそうです。
 さらに、この二段防御では、相乗効果によって防虫作用がぐんと強くなるそうな(*1)。
 そういった防御を突破して、美味しくいただいてしまう人類は、虫以上の存在、ということなんですね(植物から見たら「虫以下の存在」かもしれませんが)。

参考サイト:
*1)「シュウ酸カルシウム針状結晶とプロテアーゼとの劇的な相乗的殺虫効果を発見」(独立行政法人 農業生物資源研究所)


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