転がるイシあたま

医療系の雑談ブログです

再犯する人しない人

 世の中には刑務所とシャバとを行ったり来たりする人がいます。再犯者とか累犯者とか犯罪常習者とかのことばが脳から出てきましたが、きちんとした定義を言えないので調べてみました。

第3章 再犯率に関する国際的な動向」(法務総合研究所)
》米国の連邦司法省研究所(National Institute of Justice)によれば,再犯(Recidivism)とは,刑事司法の根幹をなす概念の一つであり,刑事司法上の何らかの処分(有罪判決等)を受けたことのある者が,別の犯罪行動を引き起こすこと(Relapse)をいう。

累犯者,前科者等による犯罪の傾向」(昭和35年版犯罪白書)
》刑法で累犯者とよばれるのは,懲役に処せられたのちその執行をおわり,または執行の免除のあった日から,五年以内にさらに罪を犯して,有期懲役に処せられた者である。

 さすが言葉の定義にこだわる法律分野、きちんと定義がされています。
 で、いろいろ見ていて「再犯率」と「再犯者率」という言葉が使われていることに気づきました。「者」の有無で、当然その意味は違うんですよね?

コラム 犯罪統計における「再犯」とは?-再犯率と再犯者率の違い-」(平成28年版犯罪白書)

》「再犯率」は,犯罪により検挙等された者が,その後の一定期間内に再び犯罪を行うことがどの程度あるのかを見る指標である。これに対し,「再犯者率」は,検挙等された者の中に,過去にも検挙等された者がどの程度いるのかを見る指標である。「再犯率」が,いわば将来に向かってのものであるのに対し,「再犯者率」は,過去に遡るものであると考えると分かりやすい。

 「分かりやすい」とありますが、私はしばらく考え込まないと理解できませんでした。人には向き不向きがあるということでしょう。

 で、昨年のクリスマスイブ、こんな記事がありました。

「再犯者率」過去最悪49・1%、コロナ禍で出所者の雇用状況悪化か…犯罪白書」(讀賣新聞 2021/12/24)

 “盗人"を捕えてみたら、二人に一人は“マエ"があった、ということです。

 こういった話題の場合「もともと犯罪者だからさらに犯罪を犯す性向があるのだろう」と簡単に考えたくなります。だけど「犯罪者」も「初犯」の前には「犯罪を犯していない人」です。そういった人が犯罪を犯すには、それ相応の“理由"があるはず。
 さらに、一度犯罪を犯しても、「再犯者にならない人」もいます。統計的には「再犯をしてもそれがばれずに逮捕されていない人」も混じっているかもしれませんが、多くは「再犯をしないように頑張っている人」のはず。では一度犯罪を犯した後、「再犯者になる人」と「再犯をしない人」の「差」がどこにあるのか、それが「社会の安全と安定」のためには必要な情報ではありませんか? 変更不能な個人の性向(たとえば反社会的人格障害)などが原因だったら仕方ありませんが、変更可能な社会システムで対応できるものだったら、対応した方が良いでしょう。ビッグデータで処理をしたら、意外な要素が見つかるのではないかな?


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