転がるイシあたま

医療系の雑談ブログです

抗体いろいろ

 ワクチンを打ってもう半年以上経つのですが、抗体ができているかどうかを調べるチャンスがあったので検査を受けてみました。検査センターから来たのは「S抗体」の数字だけで、とりあえずは「陽性」ということはわかりましたが、その数字の解釈(「他の人と比較して多いのか少ないのか」「新型コロナウイルスのどの株に対してどのくらい抵抗力があるのか」など)がわからず困ってます。
 で、いろいろ調べてみました。

 「S抗体」の「S」は「Spike」(コロナウイルスの表面のトゲトゲ)のことでした。新型コロナウイルスはまずスパイクが人の細胞の表面にあるACE2受容体に結合し、そこから細胞内に侵入します。ワクチンによってできたS抗体はそのスパイクを無力化して感染を防ぐわけ。
 もう一つ、今回私は測定されませんでしたが、「N抗体」という言葉もあります。新型コロナウイルス粒子の内部には「N蛋白」と呼ばれる成分があるのですが、COVID-19に罹患すると人体はこのN蛋白に対する抗体も作製します。それが「N抗体」。するとS抗体とN抗体の両方を測定したら、その人が過去に感染をしているか、ワクチンを打っただけなのか、の判定も可能になるはずです。ただ、N抗体がN蛋白を攻撃しようとしても、粒子の内部にあるものに手が届くかどうかは疑問ですね。
 ともかく、ワクチンで作られるのは「S抗体」なので「N抗体」は今回は測定されなかった、ということです。

 余談です。そういえばB型肝炎ウイルスでも、ウイルスの表面に対する抗体とは別にウイルス内部の「コア」の部分に対する抗体(HBc抗体)が感染後に出現します(「HB」は「HepatitisB(B型肝炎)」、「c」は「core」と私は学生時代に教わりました)。B型肝炎のワクチンを接種後に、ワクチンが体についたかどうか判定しようと測定するのはウイルス表面(surface)に対する抗体(HBs抗体)でHBc抗体は測定しません。
 ウイルスに反応して人体はウイルスの表面と内部とにそれぞれ別の抗体を作るが、ワクチンは表面だけに反応、という点で、B型肝炎とCOVID-19と似た発想をしているのは、面白いものです。

 で、結局私は抗体があるから少々の新型コロナウイルスには暴露しても大丈夫なのか、と言えば、わかりませんでした。そもそもオミクロン株にファイザーの第一世代のワクチンが有効かどうかもわかりません。たぶん今から数ヶ月かけての“全世界をフィールドとした大規模人体実験"でそのへんは明らかになっていくのでしょう。


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